随想

平成29年度卒 法学部 細川竜也

 今春に卒業を迎えました、法学部所属、細川竜也と申します。現役時代は、後衛を担当し、幹部時代は体育会総務と、球朋会計を担当していました。卒業後は、早稲田大学法科大学院へ進学いたします。私は予備試験・法科大学院受験のため、部活動から、2016年秋リーグ後の幹部引継ぎ以降、実質的に引退していました。昨年度は秋リーグは応援のみとなってしまいましたが、就活を済ませ部に復帰した同期や、後輩たちの奮闘ぶりをみることができ、現役時代に戻ったような気持ちにさせてもらいました。

 四年間を振り返ってみると、いい意味でも悪い意味でも、私の現役時代はリーグ戦において入替戦に臨む機会が多くありました。私にとっての初めてのリーグ戦は、入部した年の秋リーグでした。当時の部は、上級生を中心にリーグ戦での経験が豊富で、対外試合や大会においても一定の成績を残してきた方たちが多く、プレーをはじめいつか自分もこうなりたいと考えていました。その年の秋リーグは非常に混戦し、他大学の戦績いかんによっては複数の大学に一位の可能性があり、結果として一橋が上入替に臨むこととなりましたが、敗北を喫することとなり、以後は6部優勝5部昇格を再度目指す形となりました。しかし、その後は、上入替戦という形ではなく、下入替戦という形を二度も迎えます。

 私は中途半端な現役生活を送ってしまっていたと思います。誰もが正規練習で、声を上げチームを鼓舞し自分の課題を1つでも克服できるように取り組みます。ただ、それは最低限の話であって、強くなるためには本来であれば正規練習以外の時間もテニスに打ち込まなければならなかったはずでした。

誰かと過ごす時間や、自分だけの時間も過ごしたいと思ってしまいました。

何か目標を達成したいのであれば、それに向け一心不乱に、実直に取り組まなければなりません。私よりもはるかに意識高く取り組む同期や後輩、先輩の中で実力でも劣るところばかりでした。

そうした点を指摘して下ったOBの方もいらっしゃいましたが、自分は真摯にそのことを受けとめられずに3年間を終えてしまいました。

振り返れば後悔が多く、しかしそのことを悔いながらも改善できなかったことは、自分の責任であり、自分が変わらなければどうしようもない話です。

ある先輩が、「体育会をあえて選んだ意味をもう一度考えてみよう」とミーティングで仰っていました。また、ある先輩は「たとえ理想と違ったものだとしても、部活の中での自分の役割を考え、できることを一生懸命やろう。」と仰っていました。

この言葉を聞くたびに私は自分のことを言われているようで、非常に重い言葉として受け取っていました。体育会に入った以上、プレーヤーとして強くなり結果を出す、これは第1に実現しなければならないものでした。しかし、体育会である以上は、誰しもがリーグ戦に出場できるわけではなく、やはりサポート側に徹することになる者もいます。私はいずれも経験させて頂きましたが、結果を出すことは出来なかったですし、突きつけられたものは7部降格というものでありました。

秋リーグまでに、幹部として自分ができることはなにか。それは、部の雰囲気作りをするということでした。とはいえ何か特別なことを自分から仕掛けた訳ではなく、大会前に暗いと言われがちな一橋の雰囲気を変えるべく元気よく練習するという、ただそれだけでした。私たちの世代が幹部を担った年は、新入生も元気な者が多く、雰囲気作りにおいて大きな役目を果たしてくれました。

自分は技術的な点において、核心を付けるような鋭いアドバイスが出来ないのであれば、自分ができることは、部の雰囲気がどうなっているかを細かく細かく指摘することでした。

あまり声を荒げる者がいない部の中で、私は声を荒げてしまうこともあったと思います。また部内で笑い声が上がる雰囲気も大切にしていました。

練習していてもつまらないような部には決してしたくありませんでした。実際にプレーをするのは私たち自身であり自分たちの雰囲気が暗く士気が低いようでは、ただただテニスが苦痛になってしまいます。部活に行くのがつまらなくて嫌で仕方がない、そうした気持ちに誰もなって欲しくなかったのです。

強くて、楽しくて、自然と練習に力が入る、そんな入部したての1年生の時のような部の雰囲気を私は作りたいと思っていました。

その年の秋リーグの結果は75位というもので辛くも最下位を免れたというものでした。しかし、私はこの時のリーグ戦ほど心の底から楽しく奮い立ったリーグ戦は久しくなかったと思います。これも部のみんなのおかげであると強く思います。いまの幹部や下級生の今後の活躍に期待します。

誰にでも努力する機会は与えられています、その機会を活かせるか否かはひとえに自分にかかっています。私は自分の甘さからその機会を十二分に活かすことができませんでした。その意味でこの3年間は自分の弱みを痛感させられるものでもあり、同時に自分の役割や出来得ることについて深く考えさせられるものでもありました。

今後は大学院で司法試験に向けた勉強に取り組むことになりますが、そのような環境に身を置ける意味を自覚し、合格に向けて邁進してまいります。

これまで多くの先輩方、同期、後輩にお世話になってきました。大学4年間を振り返ると、多くの思い出に部のみなさんの姿があります。今後は球朋会の一員として、一橋大学ソフトテニス部を微力ではありますが支えていければと思います。

 

末筆ながら、今後とも球朋会と部の発展を心よりお祈り申し上げます。