和気正太郎

随想

平成29年度卒 経済学部 和気正太郎

随想を初めて読んだ一年生のころ、先輩方の熱い思いに強烈な印象を覚えたのを今でも覚えている。そして果たして自分が四年生になった時にそのような文章が書けるのかと不安に感じていた。その不安はこの四年間で解消できたのか。

私の体育会ソフトテニス部との出会いは唐突であった。貴重な大学四年間を最も費やした活動を、こんなにも簡単に決めてよかったのかと振り返ってみれば驚く。大学でソフトテニスをするなんて、まして体育会の部活動をするなど考えてもいなかった。ただ何かに熱中できるものが大学生活に欲しく、縁があったからたまたま入った。自分が新歓をしているときには、受験生時代から大学に入ってソフトテニス部に入るという闘志をもっている人がいたことに驚いた。そして適当な感じで入部した自分に正直少し引け目を感じることさえあった。

私がいた時期のソフトテニス部は常に前衛不足という状況であった。入部から一年生の終わりまで自分は考えが甘かった。リーグ戦に出たいとか、そこでいずれ自分の勝ちが求められるなんて考えていなかった。体育会に入ったのにその程度のことも考えていなかった。

二年生の時に春リーグの一戦目のレギュラーに選ばれたときは驚いた。どうして自分が、と感じた。リーグ戦に出るために努力して、勝とうするために努力してきたはずなのに、不思議な感覚だった。

迎えた春リーグでは体が全然動かなかった。実力不足だし、緊張していた。自分が試合に出ているということの実感のなさで、頭が働かなかった。春リーグを終えて、部活動に対する意識は変わった。実際にリーグに出て自分の勝敗がチームとしての結果につながる実感がわいた。ただそれ以上に、本来恵まれているはずなのにリーグに出られるチームの状況を疎ましく感じた。二年生のころは自分がこれからどうすべきかについて考えなければならかったが考えることも嫌だった。それは幹部になってからもしばらくは同じような感じであった。

三年次の春リーグでの降格は私にとってもショッキングな出来事だった。幹部なのに勝てなかったし、責任を負わなければいけない学年だった。また同期が幹部としての仕事にそれぞれ役割を感じてやっていたことにもとても触発された。自分も頑張らねばと。同期がみんな素直で努力家で助かった。

私のこの部活動における最大の後悔は四年生として部活動生活最後の一年間を全うすることができなかったことだ。最後まで楽しみたかった、もっと試合に出たかった。ただこれは自分にとってそれ以上の問題である。これまでの部活動生活の中で感じていた不安である。

思えば私はこの部活動からもらってばかりだった。目的意識もなく入った自分に対しても、熱く指導してくれた。出たいと思っても出られなかった人も多くいるはずのリーグ戦に、実感もないまま勝てないのに出してもらった。勝つことも経験させてもらった。自分は何かを部活動に与えてきたのだろうか。自分の中で真剣に考えることを避けてきたが、自分には部活動に対して後ろめたさがあった。そのような部活動生活の中で、最後にこの意識を払拭できるチャンスを失ってしまった。

反省点ばかりだがソフトテニス部に入ったことを後悔していない。典型的な随想の締め方なので説得力に欠けそうだが。本気で取り組んでいたことは事実だし、この部活動だからそれができたはずだ。部活動を通じた出会いと交流も、部活動ならではと感じる。部活動はみんな本気なのがいい。全員が本気だからこそ得られた一体感や絆は、人生の糧になると確信できる。

 

最後に、自分はこの部活動で活動できたのは、様々な方に活動させていただいたからだと、今なら心から感じる。自分を見捨てないで指導を続けてくれた先輩方がいたからこそ、自分は部活動に前向きになれる力をもらえた。尊敬できる同期だからいい影響を受けることができた。先輩後輩関係なく議論できた後輩からは多くを教わった。OBOGの先輩方にも多くの場面でお世話になった。今後ともよろしくお願いします。