コロナ禍の学生とテニス

新型コロナの感染拡大により、学生生活は大きな影響を受けました。授業がままならぬ状況もさることながら、体育会活動も相当な制限を余儀なくされました。そうした中でどのようにモチベーションを保ち、ソフトテニスに向き合ったのか――。男女主将に寄稿してもらいました。

 

男子部主将・3年、服部琢晃

 

テニスに燃えよう、毎日コートに通って練習しようなどと思い描いていた今夏、私がほとんどの時間を過ごした場所はテニスコートでなく、涼しい自室の中でした。春のリーグ戦にはじまり、夏合宿、三商大戦など楽しみにしていた試合は全て中止、大会がないまま一年が終わってしまうのではないかという不安を感じながら部活も停止となり家で過ごす日々が続きました。

変化が訪れたのは8月に入った頃でした。他大学では練習を再開したとの声が聞こえてくる頃、一橋でも再開に向けた連絡が徐々に入るようになりました。再開には感染防止のガイドラインを作らなければならないとのことで、ソフトテニス連盟のホームページにあるガイドラインを見たりしながらあれこれ考え、大学の部活に最適化するにはどうしたらいいかと幹部のメンバーと頭を悩ませました。また、そもそも本当に再開させても良いのかどうか、仮に再開したとしてメンバーは練習に戻ってこられるのかなど考えても仕方のないことばかりに頭を巡らせながら、気が付けば8月も終わりに。しかし何を考えたところでまずは再開の可能性があることを部員に伝えなければ意味がないと、アンケートを実施したりオンラインにてミーティングを開催するなど思いつくことを試し、とにかく再開に向けて準備を進めました。そんなこんなで準備を進める中で一つ印象的だったのは、私の思っていた以上に皆部活の再開に前向きだったということでした。このときは部員のソフトテニスへの愛、部活への愛を感じられたように思い、なんとも喜ばしい気持ちになりました。

 

そして9月はじめ、1日2時間以内、練習人数の制限などいくつかの制約はありながらやっと活動再開へこぎつけることができました。この半年どうにも鬱屈とした日々が続いていただけに、久しぶりにコートでボールを打った時には嬉しさのような安堵のような、なんとも名状しがたい思いが込み上げてきたのを覚えています。そして再開してまもなく、秋のリーグ戦を実施するとの連絡を受けました。さらに嬉しいことは続き、満足な新歓ができない中なんと男子部に3人、女子部に2人のあわせて5人の新入生が入部を決めてくれました。秋リーグも迫る中、新たなメンバーを迎えることができ非常に喜ばしく思うとともに、身の引き締まる思いでいます。残り約1年と少なくなった部活生活、テニスのできる環境に改めて感謝しながら充実したものにしたいところです。

 

女子部主将・2年、高林夏菜

 

 新型コロナウイルスの影響で、3月上旬に部活動自粛が発表されてから半年以上、部員全員で集まることができていませんでした。大学の講義も春夏学期はオンラインとなり、自宅から出ない生活が続きました。例年なら部活やアルバイト、友達との外出など沢山出来ることがある夏休みですが、今年は出来ることの制約が多く、何をしようかという戸惑いもありました。女子部は五月に幹部交代を致しましたが、八月までの数か月間は、公式に行えているのは週一回程度のオンラインによるミーティングや、同じくオンラインを利用した新歓でした。しかし、個人が「自粛期間にできることは何か」を考えて、自主的に筋トレやランニング、テニスの動画を観て分析するなど少しでも再開後の成長につながることを継続してきました。ゆっくり動画を観る機会は普段だとあまりないので、自分たちの弱点や相手校の傾向、実業団の方々から参考にできる戦略などを考えることができました。

 

 このように、テニスコートでテニスをすることができない日々が続いておりましたが、9月中旬からテニスコートでの部活を再開しています。まだ、人数制限や活動時間の制限・他校との練習の自粛など制約はありますが、久しぶりに部員全員で集まってテニスができることはとてもありがたく、そして嬉しく思います。今年は秋季リーグの開催こそ決定しましたが、時期や参加校が不透明で、部としての目標が立てられなかったり四年生の先輩方の引退時期が不明だったりとどうなるか分からないことが多く、不安です。しかしながら、部員一同全力で活動していきますので、見守っていただけると嬉しいです。