ごあいさつ           一橋大学大学院社会学研究科 教授  尾崎 正峰

 

 

 

諸先輩方には、一橋大学ソフトテニス部の活動に対して、日頃より有形無形さまざまなご支援をいただいておりますこと厚く御礼申し上げます。

 

 

 

 11月の球朋会総会では、さまざまな世代のOBOGの方々とお話をする機会に恵まれ(私の学部卒業年次のOBOGが出席されていなかったのは少し残念でしたが)、社会に出てからのみなさんの多様な活動、活躍の一端に触れることができ、ソフトテニス部の歴史と伝統、その蓄積をあらためて感じさせられました。その後、東キャンパスのテニスコートで練習に励んでいる現役部員の姿を見るにつけ、将来、社会でどんな成果を出してくれるのかと思いをはせています(もちろん、来年度の競技面でのさらなる飛躍を期待しつつ)。

 

 

 

2015年もスポーツをめぐる話題が目白押しでした。

 

ひとつの「事件」とさえ表現していいのではないかと思われるものが、ラグビー・ワールドカップで日本代表チームが強豪南アフリカに歴史的勝利を収めたことではないでしょうか。(私事で恐縮ですが)報道する側からこの勝利の瞬間を目の当たりにした私の義兄によれば、勝利の興奮は日本だけにとどまらず、イギリスのメディアも大々的に報じ、スタジアムを訪れるさまざまな国、地域のラグビーを愛する人々が絶賛していたとのことです。

 

このようにスポーツのすばらしさを実感させてくれた出来事もある一方で、FIFAの大会誘致をめぐる賄賂などの組織的不正、ロシアの国家レベルでの組織的ドーピング疑惑、プロ野球巨人軍の選手による反社会的勢力絡みの賭博などが世間を賑わしました。また、2020年のオリンピックをめぐっても新国立競技場建設、エンブレム選定などにまつわる不祥事が続けざまに起こり、先行きに不安を感じさせるものでした。

 

 これらの出来事が象徴的に示していますように、スポーツは現代にあって大きな社会的関心を引き起こす存在となっています。スポーツを楽しむことを出発点としながら、同時に、その有り様について誰もが多面的に考えていかなければならないのではないかと思われます。私としては(昨年度もふれさせていただきましたが)、足下のスポーツ、つまり、日常生活の中でスポーツを享受できる条件とは何かについて考察を続けていきたいと思っております。

 

 

 

最後に(毎度、毎度で恐縮ですが)、一橋大学におけるサークル活動は、学生の自主性と卒業生のバックアップ、このふたつを大きな柱として成り立つものであると考えております。今後とも、ご支援をよろしくお願いいたします。